マヌカについて

マヌカ

ニュージーランドに原生するマヌカの木。
マヌカは、先住民族マオリ族の人々が「復活の木」と呼び、マオリの伝統医学に欠かせない植物でした。

マヌカといえば、マヌカの花から採れるマヌカハニーの抗菌性がすっかり有名になりましたが、ニュージーランドの養蜂の歴史は浅く、養蜂は1800年代にニュージーランドに移住したヨーロッパ人が持ち込んだ新たな産業だったのです。マヌカから蜂蜜が採れることは知られていましたが、その蜂蜜に他のどの植物にもない、高い抗菌性があることが発見されたのは、なんと2000年代に入ってから。古代のマオリ族の伝統医学の知恵が、現代の科学の手法でその効能を明らかにされたのは、驚くことについ最近のことなのです。

マオリ族の伝統医学(ロンゴア・マオリ)では、マヌカは主に、葉、枝、樹皮が煎じて使われました。
葉を煎じたものは、泌尿器系の感染症や解熱剤として、また、葉を煮る時に発生する蒸気は、吸入によって、風邪の症状の緩和に。また、葉と樹皮を煮出した液体は、体の炎症、痛みの外用薬として。
その他、便秘の解消や、火傷、傷の治療、鎮静剤として、マヌカの木は、花自体よりも、むしろ葉、枝、樹皮といった部位が、薬効効果をもつものとして、大変重宝されてきたのです。

このように、古代より口承で伝えられてきたマヌカの効果効能や成分が、現代科学の手法で研究され始めたのは、つい最近のこと。

現在分かっていることとしては、マヌカのメインの構成物質は100種類。そのうち51種類が、全体の95%を占めます。
主な構成物質は、aピネン(0.6-21.5%),  レプトスペルモン (0.8-19.4%), トランスカラメネン (2.5-18.5%), カディナ3,5ジエン (3.0-10.0%), δ-カジネン (0.9-6.9%), (-)-α-コパエン (4.3-6.5%), トランスカディナ -1,4-ジエン (0.1-5.9%), フラべソン(0.7-5.8%), α-セリネン (1.3-5.0%)
これらの化学物質の構成比率は、収穫時期、植生エリア、ケモタイプによっても違うことも明らかになっています。

現在ではニュージーランドの大学で、マヌカはもちろん、その他ロンゴア・マオリで使われる薬草の研究がさかんに行われていますので、今後次々に新しい発見があるでしょう。しかし、これらは実は新しく発見された事実ではなく、古代の知恵が現在の科学においても、正しい知識であったことが再確認されたというにすぎない・・・という事実は、非常に興味深いことです。